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福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説9~「成果給」

最終更新: 6月27日

<本日の内容>

1 「成果給」についてのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断


1 「成果給」についてのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断

 基本給でも,労働者の業績・成果に応じて支給される成果給における待遇の不合理性判断を検討してみましょう。


 ①成果給の性質・目的は,上述のとおり労働者の業績・成果に応じて支給されるものですから,②その主な考慮要素は,労働者それぞれが残した業績・成果となります。したがって,③正規社員と同一の業績・成果を出しているパートタイム・有期雇用労働者には,同一の支給をしなければならず,業績・成果に一定の違いがある場合にも,その相違に応じた支給をしなければ,その相違は不合理とされます(同一労働同一賃金ガイドライン第三の一(二))(水町・前掲97頁)。


 同一労働同一賃金ガイドラインの問題となる例には,「基本給の一部について、労働者の業績又は成果に応じて支給しているAにおいて、通常の労働者が販売目標を達成した場合に行っている支給を、短時間労働者であるXについて通常の労働者と同一の販売目標を設定し、それを達成しない場合は行っていない。」とあります。業績・成果は,個々の労働者の能力のみならず,投入する労働時間の長短に左右される部分がありますので,そのことを考慮せずに,正規社員と短時間労働者への成果給の支給を全く同じ目標の下で行うのは不合理であるという考えだと思われます。この考えに沿う問題とならない例がイで,「基本給の一部について、労働者の業績又は成果に応じて支給しているA社において、所定労働時間が通常の労働者の半分の短時間労働者であるXに対し、その販売実績が通常の労働者に設定されている販売目標の半分の数値に達した場合には、通常の労働者が販売目標を達成した場合の半分を支給している。」とあります。


 上述の投入労働時間とは異なる観点を取り上げるのが,問題とならない例ロです。「A社においては、通常の労働者であるXは、短時間労働者であるYと同様の業務に従事しているが、Xは生産効率及び品質の目標値に対する責任を負っており、当該目標値を達成していない場合、待遇上の不利益を課されている。その一方で、Yは、生産効率及び品質の目標値に対する責任を負っておらず、当該目標値を達成していない場合にも、待遇上の不利益を課されていない。A社は、待遇上の不利益を課していることとの見合いに応じて、XにYに比べ基本給を高く支給している。」とあります。

 一読すると,なんとなく分かったような気もする例ですが,よくよく考えると,Yは生産効率及び品質の目標値に対する責任を負っていないのですから,Yの基本給は成果給ではないのではないか,この例は基本給に成果給の要素が含まれるXと成果給の要素が含まれないYを比べてないか,といった疑問も感じます(結論はともかく,ここで取り上げる例として,例の書き方として整理し切れているのかという問題です。誤解なきように。)。 


2020年5月14日

福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所

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