• 弁護士古賀象二郎

福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説1~改正の経緯など

最終更新: 6月1日

<本日の内容>

1 「同一労働同一賃金」を取り上げる意義

2 パートタイム・有期雇用労働法の改正の経緯


1 「同一労働同一賃金」を取り上げる意義 

 このブログでは,主に労働法関係のトピックを取り上げていきます。最初に取り上げるのは「同一労働同一賃金」についてです。


 「同一労働同一賃金」は,2018(平成30)年6月の労働契約法,パートタイム労働法,労働者派遣法の改正により置かれた制度です。この改革については,インターネットなどでも多くの解説を見ることができます。しかし,それが専門家の手によるものであっても,「同一労働同一賃金」という言葉に引きずられてか,制度の中身を正しく理解しているのか疑わしい記述が散見されます。そこで,従来の雇用慣行に大きく揺さぶりをかける「同一労働同一賃金」について,みなさんの理解の役に立つことができればと思い,トピックとして取り上げました。

 なお,「同一労働同一賃金」についてのこのブログの解説の多くは,水町勇一郎「『同一労働同一賃金』のすべて 新版」(有斐閣,2019年)を参考としています。さらに詳しい内容については同書をご覧ください。


2 パートタイム・有期雇用労働法の改正の経緯

 まずは,改正の経緯から簡単に。

 今回の改正前の,正規労働者・非正規労働者の不合理な待遇の相違に関する規定として,有期雇用労働者に関する労働契約法20条,短時間労働者に関するパートタイム労働法8条の規定が置かれていました(パートタイム労働法9条「差別的取扱いの禁止」については,このブログでは詳細には取り上げません。)。

 しかし,正規労働者・非正規労働者の待遇格差の是正という点では,次のような問題点が指摘されていたとされています。第1に,非正規労働者に位置づけられる派遣労働者については,待遇格差の是正を図る規定が置かれていない,第2に,有期雇用労働者およびパートタイム労働者の待遇格差の是正に関する上記規定も,内容が不明確で,解釈が定まっていない,第3に,非正規労働者が待遇差の是正を求めようにもそのための十分な情報を得る手段がない,といったことです。


 こうした問題点を踏まえて行われたのが,今回の改正です。

 法律の構成としては,従来の有期雇用労働者の不合理な労働条件を禁止した労働契約法20条が削除され,パートタイム労働法がパートタイム・有期雇用労働法(「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)と改められ,パートタイム労働者と有期雇用労働者とを同法8条で同じ規制の下に置き,また,派遣労働者については,労働者派遣法を改正して,パートタイム・有期雇用労働法における不合理な待遇の禁止と原則として同じ規制を置くこととしました。


2020年5月7日

福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所

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