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福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説6~「不合理性」の立証責任

最終更新: 6月1日

<本日の内容>

1 パートタイム・有期雇用労働法8条の「不合理性」の立証責任


1 パートタイム・有期雇用労働法8条の「不合理性」の立証責任

 改正前のパートタイム労働法8条,労働契約法20条については,事業主と非正規労働者のいずれに待遇差の不合理性などを立証する責任があるか明確でないとの指摘がありました。


 立証責任とは,このブログでいえばパートタイム・有期雇用労働法8条を根拠に労働者と事業主が裁判で争うときに,この条文の適用をめぐって,いかなる事実についていずれの当事者に証明の責任を負担させるのかという問題です。立証責任は,裁判の審理の方針となるもので,できるだけ客観的に分配する必要がありますし,その分配の仕方が立証の難易に直結して裁判の結論を左右しかねませんので,当事者の公平を損なわないように分配しなければなりません。


 改正前のパートタイム労働法8条,労働契約法20条では,特に,労働条件(待遇)の「不合理性」についていずれの当事者が立証する責任があるのか議論がありました。

 この点につき,改正後のパートタイム・有期雇用労働法8条では,待遇の相違の「不合理性」は,規範的評価を必要とするもので,その立証責任は,パートタイム・有期雇用労働者側が不合理であることを基礎づける事実(例えば,待遇の性質・目的から,職務の内容,職務の内容及び配置の変更の範囲が考慮要素とされるときの,「職務の内容が同一であること。」)を主張・立証し,事業主側が不合理でないことを基礎づける事実(例えば,待遇の性質・目的から,職務の内容,職務の内容及び配置の変更の範囲が考慮要素とされるときの,「職務の内容及び配置の変更の範囲が同一ではないこと。」)を主張・立証するという分配になり,これらの双方の主張・立証を踏まえて,裁判所が待遇の不合理性の有無を判断するとされています(水町・前掲113頁)。

 改正前の労働契約法20条についてですが,同様の判断を示した最高裁判所の判決も出されています(ハマキョウレックス(差戻審)事件・最二小判平成30・6・1民集72巻2号88頁)。


2020年5月11日

福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所

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