• 弁護士古賀象二郎

福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説33~「リフレッシュ休暇」など,「教育訓練」,「安全管理」

最終更新: 6月27日

<本日の内容>

1 「リフレッシュ休暇」などのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断

2 「教育訓練」のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断

3 「安全管理」のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断


1 「リフレッシュ休暇」などのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断

 本日は,労働者への報償として付与される休暇の検討から始めます。


 勤続期間に応じて認められている休暇は,一般に「リフレッシュ休暇」と呼ばれることもありますが,それは,①勤続への報償としての休暇付与という性質・目的にあるもので,②その主な考慮要素は勤続期間です。したがって,③勤続期間が同一の場合には,正規労働者とパートタイム・有期雇用労働者で同一の付与をする必要があります。


 また,夏期や冬期等の過密・過酷な勤務に対する報償として付与される特別休暇についても,①過密・過酷な勤務に対する報償としての休暇付与という性質・目的からして,②その主な考慮要素は過密・過酷な勤務に従事したことであり,③同様の勤務状況にある正規労働者とパートターム・有期雇用労働者とで同一の付与をする必要があります(水町・前掲109,110頁)。


 同一労働同一賃金ガイドラインには, 勤続期間に応じて認められている休暇について記載されています。「法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)であって、勤続期間に応じて取得を認めているものについて、通常の労働者と同一の勤続期間である短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の法定外の有給の休暇その他の法定外の休暇(慶弔休暇を除く。)を付与しなければならない。」としています(第三の四(五))。


 また,同一労働同一賃金ガイドラインは,ここでの勤続期間は,有期雇用労働者については労働契約の開始時から通算して評価すべきとしています(第三の四(五))。

 正規労働者に比べ所定労働時間が短いパートタイム労働者については,その所定労働時間に比例した取扱いが求められます。同一労働同一賃金ガイドラインの問題とならない例として,「A社においては、長期勤続者を対象とするリフレッシュ休暇について、業務に従事した時間全体を通じた貢献に対する報償という趣旨で付与していることから、通常の労働者であるXに対しては、勤続十年で三日、二十年で五日、三十年で七日の休暇を付与しており、短時間労働者であるYに対しては、所定労働時間に比例した日数を付与している、」が挙げられています。


2 「教育訓練」のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断

 次に,教育訓練について検討します。


 教育訓練にもさまざまなものがありますが,ここでは,現在の職務に必要な技能・知識を習得するために実施するもので考えてみます。①職務に必要な技能・知識の習得というその性質・目的に照らすと,②その主な考慮要素は,職務の内容となります。したがって,③職務の内容が同一であれば正規労働者とパートタイム・有期雇用労働者とで同一の教育訓練を,職務の内容に違いがあればその違いに応じた教育訓練を実施することが求められています(水町・前掲110頁)。


 同一労働同一賃金ガイドラインにも,「教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するために実施するものについて、通常の労働者と職務の内容が同一である短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の教育訓練を実施しなければならない。また、職務の内容に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた教育訓練を実施しなければならない。」とあります(第三の五(一))。


3 「安全管理」のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理判断

 本日の最後は,安全管理に関する措置・給付についてです。これは労働者の生命・身体の安全にかかわるものですから,直観的にも,正規労働者とパートタイム・有期雇用労働者とで区別する理由はないと考えられるところです。


 検討してみると, 安全管理に関する措置・給付には,①業務環境に応じた十全の安全管理により労働者の健康を確保するという性質・目的がありますので,②その主な考慮要素は,安全管理が必要な業務環境に従事しているかどうかです。したがって,③同一の業務環境にある労働者に対しては,正規労働者であるかパートタイム・有期雇用労働者かにかかわらず,同一の付与をすることが求められています(水町・前掲110頁)。


 同一労働同一賃金ガイドラインにも,「通常の労働者と同一の業務環境に置かれている短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の安全管理に関する措置及び給付をしなければならない。」とあります(第三の五(二))。


2020年6月7日

福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所

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