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福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説27~「単身赴任手当」

最終更新: 6月27日

<本日の内容>

1 単身赴任手当のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断

2 単身赴任手当の支給額を役職に応じて変えている場合


1 単身赴任手当のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断

 本日は,単身赴任手当について検討して行きます。


 単身赴任手当は,①会社都合による転勤で,労働者が単身赴任をすることとなったことによる二重生活の経済的負担を軽減するという性質・目的からすると,②その主な考慮要素は,会社都合による転勤で労働者が単身赴任し,二重生活の経済的負担が発生しているかどうかです。これら事情が同一であれば,正規労働者とパートタイム・有期雇用労働者とで相違を設ける理由はありません。したがって,③パートタイム・有期雇用労働者にも,正規労働者と同一の基準で単身赴任手当を支給することが求められます(水町・前掲107頁)。同一労働同一賃金ガイドラインにも,「通常の労働者と同一の支給要件を満たす短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の単身赴任手当を支給しなければならない。」とあります。

 単身赴任手当の支給要件では,①会社都合の転勤であること,②転勤に伴い住居を移転したこと,③転勤前の住所から転勤後の事業所までの通勤が困難であること,④やむを得ない事情により労働者が単身赴任をすることとなったことを考慮したものをよく見かけます。こうした支給要件を満たすかぎり,パートタイム・有期雇用労働者にも単身赴任手当を支給することが求められます。


2 単身赴任手当の支給額を役職に応じて変えている場合

 単身赴任手当の支給額を役職に応じて変えているケースもときどき見かけます。これは,上述のようないわゆる単身赴任手当に加えて役職手当の意味合いも認められる,複合的な趣旨の手当といえるでしょう。こうした場合のパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断では,いわゆる単身赴任手当部分と役職手当部分とでは,それぞれの性質・目的が異なりますから,それぞれの考慮要素もまた異なります。したがって,各部分それぞれで不合理性を判断してから,最後に各部分を足し合わせて全体の均等・均衡を図るということになるではないでしょうか。しかしそれは言うは易し,です。これを機会に意味合いが曖昧な手当を整理することの方をおすすめしますが,いかがでしょうか。


2020年6月1日

福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所

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