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福岡の弁護士が同一労働同一賃金を解説14~「役職手当」

最終更新: 6月27日

<本日の内容>

1 「役職手当」についてのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断


1 「役職手当」についてのパートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性判断

 少しずつ待遇の不合理性の判断の仕方に慣れてきましたか。ここからしばらくは,諸手当の不合理性判断について検討して行きます。

 まずは役職手当から。役職手当は,役職の内容,責任の範囲・程度に対して支給されるもので,①その性質・目的は,役職に伴う責任の重さ等への対償として支給されるというものですから,②役職に伴う責任の重さ等が主な考慮要素となります。したがって,③正規労働者と役職に伴う責任の重さ等が同じパートタイム・有期雇用労働者には,同一の役職手当を支給しなければなりません。また, 役職に伴う責任の重さ等に一定の相違がある場合には,その相違に応じた役職手当を支給する必要があります(同一労働同一賃金ガイドライン第三の三(一))(水町・前掲103頁)。

 同一労働同一賃金ガイドラインの問題となる例では,「役職手当について、役職の内容に対して支給しているA社において、通常の労働者であるXの役職と同一の役職名であって同一の内容の役職に就く有期雇用労働者であるYに、Xに比べ役職手当を低く支給している。」とあり,役職手当の支給は不合理と判断されるように思われます。Yは有期雇用労働者であってパートタイム労働者ではないようですから,Xと同じ役職手当を支給しなければなりません。問題とならない例イのとおりです。「役職手当について、役職の内容に対して支給しているA社において、通常の労働者であるXの役職と同一の役職名(例えば、店長)であって同一の内容(例えば、営業時間中の店舗の適切な運営)の役職に就く有期雇用労働者であるYに対し、同一の役職手当を支給している。」とあります。


 他方,問題とならない例ロでは,「役職手当について、役職の内容に対して支給しているA社において、通常の労働者であるXの役職と同一の役職名であって同一の内容の役職に就く短時間労働者であるYに、所定労働時間に比例した役職手当(例えば、所定労働時間が通常の労働者の半分の短時間労働者にあっては、通常の労働者の半分の役職手当)を支給している。」とあります。問題となる例と違い,ここでのYは正規労働者よりも所定労働時間が短いパートタイム労働者です。正規労働者であるXと同じ役職名・同じ役職の内容であっても,労働時間の長短に応じてその責任の範囲・程度には違いがあり得るのであって,その違いを役職手当の支給にあたり考慮しても不合理とはいえません。

 次は,特殊作業手当です。詳しくは次回検討しますので,その不合理性をどう考えるべきか,検討してみてください。

2020年5月19日 福岡市中央区 古賀象二郎法律事務所 弁護士古賀象二郎


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